2025年の本屋大賞、決まりましたね
今回2025年の大賞が決まりましたね〜。
「本屋大賞」は、その年の空気や感情の波を映す、ひとつの“物語の祭典”だと思います。
2025年の受賞作『カフネ』(阿部暁子/講談社)もまさにそんな一作です。
法務局に勤める野宮薫子さんと、弟の元恋人・せつなさん。
家事代行サービス「カフネ」で出会ったおふたりの“食と記憶”の物語。
食卓が、人と人の境界線をそっと溶かしていくようでした。
心の奥にじんわりと灯る、やさしい物語だったと思います。
タイトル…カフネ
著者…阿部 暁子
出版社…講談社
発売日…2024/5/22
目次
本屋大賞とは?
「本屋大賞」は、全国の書店員さんたちが「自分がいちばん売りたい本」に投票して選ばれる文学賞です。
2004年に始まり、毎年「この本を読んでほしい!」という熱い想いが集まることで、
話題作や隠れた名作が多く誕生してきました。
書店という現場から選ばれるだけに、読みやすさと読後の満足度、
そして人にすすめたくなる魅力が詰まった作品が選ばれやすいのが特徴です。
──でも、本屋大賞は時に“熱狂”すら巻き起こします。
ここでは、歴代の中でもとりわけ読者の支持が熱く、
広がりも大きかった4作品をご紹介したいと思います。
歴代の中でも特に熱量の高かった4作品
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦/2007年受賞)
ユニークな語り口と、摩訶不思議な京都の夜が印象的です。
“先輩”と“黒髪の乙女”の物語は、ファンタジックなのに、
どこか懐かしさを感じさせます。
アニメ化・舞台化とメディアミックスも大成功を収めました。
本屋大賞が“尖った文学性”もすくい上げる賞だと知らしめた、象徴的な作品だと思います。
『告白』(湊かなえ/2009年受賞)
「読後に立ち尽くす」読者が続出した衝撃作です。
教師による復讐の物語は、語りの構成力と心理描写で圧倒的な支持を得ました。
映画化も大ヒットしましたね
“イヤミス”というジャンルを一気に定着させた火種でもあります。
『舟を編む』(三浦しをん/2012年受賞)
辞書編集という地味な舞台ながら、人の誠実さが胸を打つ名作です。
「言葉を編む」という行為の重みが、しみじみと伝わってきます。
映画化・アニメ化もされ、静かながらも長く支持され続けています。
「本が好きな人」ほどじんわりと効いてくる一冊です。
『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ/2019年受賞)
名字が何度も変わる少女と、彼女を育てた“親たち”の物語です。
血の繋がりよりも深い、あたたかさと絆が描かれています。
家族って、何だろう? と改めて問いかけてくれるような作品です。
読後の余韻に涙する人が続出し、映画化も話題になりました。

まとめ
この4作品には、どれも「物語の力」が詰まっていると感じます。
時代の空気を映し、心を揺さぶり、読み手の中に灯をともしてくれるのです。
2025年の『カフネ』もまた、その系譜に連なる物語だと思います。
あなたにとっての“一冊”が、また一つ増えるきっかけになりましたら──とても嬉しく思います。
🔗本屋大賞公式サイトはこちら:https://www.hontai.or.jp/
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